FMC第308回セミナー報告
講師 中塚雅一氏(Royal MIYABI中塚クリーニング:神戸市灘区)
テーマ ここまでやっている高品質クリーニングの今
-誰も知らない衣類のアフターケア・メンテナンスー
開催日時 令和8年1月16日(金)18時15分~20時過ぎ
会場 大阪産業創造館5階研修室
参加者 会員中心に16名


―――佐野理事長のセミナー感想―――
クリーニング店と言えば、理美容院やパン屋さん、郵便局などと共に、昔から街中に溶け込んでいて、誰もがそれなりのイメージを持っている業態ですが、クリーニング店オーナーでもある中塚氏のセミナーを受講して、そんな固定観念は見事に覆されました。
大事な衣料を季節の変わり目にクリーニングに出し、着用時期まで封印しておく。勝負服とも言うべき純綿の細番手ブラウスやシャツを折り目正しく着るために見せに出す。
そんな庶民の習慣は、当たり前のことながらとっくの昔に廃れていたのでした。
ファストファッションの台頭、合繊化、イージーケア技術の進展、2020年に突如始まったコロナ禍による対面接触の自粛による外出着市場の縮小などにより、クリーニング市場は縮小し、絶頂期(バブルがはじける寸前)の1/4になっていました。
そんな中、中塚氏は、クリーニング需要は、高品質な衣料や装身具を購入し大事に使い続ける人たち、つまり富裕層にこそあると見極め、その人たちの感覚や気持ちにフィットした店の立地、店構え、クォリテイ(=技術)、さらには言葉使いを含む接客姿勢さえも最適化されたことが臨場感を持って語られました。
また、セミナー後半では、豊富な事故事例とその修復技術は(本来、事故はお店の経営上は少なければ良いことと、修復技術はノウハウのかたまりなので、あまりオープンにされない同業者が多い)初めて知ることが多く、繊維や生地を作る、あるいは皮革鞣しをされる方にも大いに参考になったはずです。
(セミナーを聞いての印象を一言集約すれば)
クリーニングではなく〈REBORN〉
中塚クリーニング店がやっておられることは、業種名こそクリーニングで、汚れ落としももちろんされていますが、その本質は、商品の再生、商品価値の再生だと思いました。
特にバッグなどの装身具は利用者のアイデンティティと関わる、身体の一部のような存在であり、毎日欠かせぬアイテムなので、傷めば修復したくなるのは当然ですが、ハイクォリティなものほど、希少な素材加工や複雑な作り方がされているため、それをケースごとに異なる技術で修復されているのですが、私には、その品が、もともとの商品価値に加え、利用者の記憶に残る共体験が価値を増し、さらには、中塚さんの創意工夫により、使い勝手が良くなったり、見かけが向上したりしているのを見るにつけ、これは単なるクリーニング行為ではなく、〈REBORN〉🟰再生、新たな誕生ではないかと感じた次第です。
なお、セミナーは、もちろん、業界動向や店の運営ノウハウ、クリーニング技術など多岐にわたって教えていただいたことを申し添えます。
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